鞍馬天狗
その鞍馬天狗はとても人のいい性格であった。
ある日、彼は駿足の名馬で常習犯の馬泥棒を追いかけていた。泥棒は必死で逃げたが流石に鞍馬天狗の名馬は相手の馬などものともせず、あっという間に追いついたのである。だが、彼はその人柄故、泥棒に罰を与えるようなことはせず、説教をするに留まった。
馬泥棒はいかにも改心したかの様にうんうんと頷き、この仕事から足を洗うと約束したのである。
天狗は「よし、しっかりやるのだぞ」といってマフラーを靡かせ去っていった。
暫くすると彼は村人とすれ違った。村人は鞍馬天狗の様子を見て、ふと怪訝の思ったあと、納得したように頷きそして叫んだ。
「天狗の旦那!うさぎ跳びは関節に悪いそうですぜ」
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